【どういう状況・心的状態の人に読んでもらいたいか?】

スーパーバイザー 倉林秀光

コンサルなどで、次のような相談をよく受けます。

読者対象を明確にするというのはどういうことですか?

年齢・性別・職種などをはっきりさせるということですか?

もちろん、それもありますが、「どういう状況・心的状態の人に読んでもらいたいかを意識することも大事です」と返答するようにしています。

わかりやすい例がダイエットです。

ダイエットといっても、なぜ痩せたいのかは、人によってさまざまです。

たとえば次のように……。

Aさん

■40歳・男性・ビジネスパーソン

■健康診断でメタボと診断され、医師から痩せるように忠告を受ける。

Bさん

■27歳・女性・OL

■もっとスタイルが良くなって、積極的に婚活をしたい

Cさん

■38歳・女性・主婦

■クラス会にお気に入りの服を着ていきたいので、スリムになりたい。

まずAさんから見ていくと、これは明らかに健康上の理由です。

このままだと成人病になるのは時間の問題というリスクを抱えています。

Bさんはどうかということ、ダイエットの目的はスタイルが良くなること。それによって婚活を成功させること。

したがって、Aさんの健康上の理由とはちょっと異なります。

Cさんはどうでしょう。

こちらはクラス会でお気に入りの服を着ていくことがダイエットの目的です。

ここから先は推測になりますが、その服を着ることで、同級生たちから「スタイルがいいし、若い時のままだね」と言われることで、承認の欲求を満たしたいという願望も関係している可能性があります。

改めて整理すると、3人ともダイエットの目的は異なり、Aさんは健康のため、Bさんは婚活を成功させるため、Cさんは承認の欲求を満たすため……ということになります。

ということは、ダイエット法の本を企画する場合、3人の目的を念頭に置いて立案する必要があります。

Aさんのような人を対象にするならば、健康体を保つうえでダイエットがいかに大切なのかを訴求する必要があるし、BさんやCさんのような人を対象にするならば、健康体を保つことの大切さを訴求しても、あまり意味がありません。

これはダイエットに限ったことではありません。

集客やセールスなども同じで、どういう状況・状態の人に読んでもらいたいかを意識することが大切で、それによって企画書の書き方、章立て・プロット、ひいては記述内容も異なってくるのです。

さて、あなたが書きたい本の読者は、どういう状況・心的状態の人ですか?

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