【構成案の見出しで編集者を惹きつける】
スーパーバイザー 倉林秀光
企画書を作る際、構成案はとりわけ重要な役割を果たします。
本がどういう流れ・ストーリーで展開していくのかを、編集者に理解していただくためです。
その構成案を作るとき、ひとつ肝に銘じていただきたいことがあります。
それは見出しに工夫をこらすことです。
ありきたりの見出しを列記すると、「こういうことって、類似書によく記されているんだよなあ」ということで、編集者にマイナスの印象を抱かせてしまうからです。
たとえば、あなたが自己啓発書の出版を望んでいて、壁にぶつかったとき、信念と執念をもって乗り越えていくことの大切さについて述べなければならないとします。
それをそのまま見出しにもってきたらどうなるでしょう?
「信念」や「執念」という言葉はもはや死語。
編集者は「またかよ。もう、言い尽くされているだよなあ」と、うんざりした気持ちになります。
そういうときは、「信念」と「執念」という言葉を別の言葉に置き換えてみてはどうでしょう。
たとえば、私なら、次のような見出しを打ち立てますが。
「コンチクショー・パワーが威力を発揮するとき」
どうです?
いわんとする中味が同じであっても、「コンチクショー・パワー」という言葉には斬新さがありませんか。
それを目にした編集者も惹かれると思います。
見出しひとつとっても、このちょっとの工夫で、編集者に与える印象はだいぶ違ってくるのです。
では、「失敗は成功の基」「失敗しなかったら、今の自分はない」という内容を記したい場合、あなたなら、どんな見出しを打ち立てますか?
「失敗は成功の基」「失敗しなかったら、今の自分はない」も、これまた言い尽くされたことなので、私ならこんな見出しを打ち立てますが。
失敗しないと、人生はヤバいことになる