【著作権侵害にあたる文章 あたらない文章】
スーパーバイザー 倉林秀光
著者にとって厄介なのは、本を出版した後、著作権侵害にあたるとして訴えられること。
それが原因で、せっかく出した本を回収せざるをえなくなった……というケースも少なくありません。
では、著作権侵害を犯さないようにするためには、どういったことを心がけたらいいのでしょうか。
わかりやすく説明しましょう。
まずは、以下の例文を一読ください。
「風邪の防止にはビタミンCを多く摂るのがいちばんです。なかでもレモン一個には○○㎎ものビタミンCが含まれています。ですから、レモンを多く口にしましょう」
上記の文章をオリジナルとして、AさんとBさんが次のような文章を書いたとします。
「風邪の防止にはビタミンCを多く摂るのが最適です。とくにイチゴには○○㎎ものビタミンCが含まれています。そこでイチゴを多く口にしてはどうでしょう」(Aさん)
「ビタミンCは風邪の予防に効果があるといわれているので、ビタミンCを多く含んだ果実の他に、サプリも摂るといいでしょう。なかでも、お勧めのサプリは○○や□□などです」(Bさん)
まず、Aさんの文章から見ていくと、これはもう完全に著作権の侵害です。
いわんとする意味はまったく同じ。
「レモン」を「イチゴ」という単語に置き換えただけに過ぎません。
では、Bさんはどうでしょう。
こちらは著作権の侵害にはあたりません。
「ビタミンCは風邪の予防に効く」というテーマは同じであっても、Bさんは独自の考えとして、サプリの価値を強調しようとしています。
言いたいことは、ビタミンCを多く含んだ果実よりもサプリにあり、そちらに話題を持っていこうとする姿勢がありありと感じとれます。
要するに、似たようなテーマで文章を書くときは、言葉の置き換えはできるだけつつしみ、持論を述べ、持論に主軸に話を展開していくようにするのです。
これを心がけるだけでも、著作権の侵害が激減することうけあいです。