【笑えないウソ、笑えるウソ】
スーパーバイザー 倉林秀光
言うまでもないことですが、出版企画書の著者略歴には真実を記さなければなりません。
その観点からいえば、ウソは詐称になるため、絶対にNGです。
高卒なのに大卒と偽る。
A大学卒なのにB大学と偽る。
大卒後、C社に入社したのにD社に入社したと偽る。
税理士(医師)の資格がないのに、税理士(医師)と偽る。
しかし、本のテーマ・内容に直接関係がないという条件つきですが、笑えるウソなら許される場合もあります。
もう20年以上も前のことです。
私は当時50代だったある経営コンサルタントから著書をサイン入りで頂戴したことがありました。
著者略歴をよく見ると、そこには(最後のほうに)「インドでヨガの猛修行を積む」と書かれてありました。
そこで「先生、インドでヨガの猛修行を積まれたのですか? すごいですね」と言うと、こんな返答が返ってきたのです。
いやいや、実はね。
以前、妻と安価のパックツアーでインドに旅行に行ったことがあってね。
そのとき、現地で「本場のヨガ体験コース」というオプショナルツアーがあったもので、試しに申し込んでみたんだ。
そうしたら、それが身体の硬い私にはものすごくつらくてね。
小一時間しかやらなかったけど、それが猛修行のように思えたんだよ。
インドに行った。そこにはウソがありません。
ヨガをやった。そこにもウソがありません。
猛修行を積んだ。小一時間といえども、本人がそう感じたならば、そこにもウソがありません。
だから、「インドでヨガの猛修行を積む」。
繰り返し言いますが、本のテーマ・内容に直接関係がないという条件つきならば、こういう笑えるウソを著者略歴の覧にスパイス程度に用いてみるのはいいいかもしれません。