【数行入れ替えるだけでも、文章は大変身!】

スーパーバイザー 倉林秀光

 文章は、次のように起承転結を踏まえて書くことが重要になってきます。

  • 【起】で話のきっかけを提示して、読み手の関心をひく
  • 【承】で話を発展させて、読み手の関心をさらにひく
  • 【転】で著者が一番強調したいことを述べ、読み手を完全に惹きつける
  • 【結】で全体のまとめを述べ、読み手を満足・納得させる

 ただ、今まで、そのことを知らなかった人にいきなり、そうやりなさいと言っても戸惑うばかりで、具体的にどう書いていいのか、わからないと思います。

 そこで、ビギナーは。いきなり長文で起承転結を用いた文章を書こうとはしないで、まずは4行程度の短文で、そのレッスンを始めてはいかがでしょう。

 まずは例文をご覧ください。


昨日、A子に電話した。

彼と別れたらしい。

だから、元気がなかった。

でも、懲りずに婚活を続けるらしい。


 さて、この例文、とくに問題はありません。でも、いたって平凡ですよね。

「彼と別れたの? 失恋したのかな? そりゃあ、元気がなくなるよね」という印象しか残らないと思います。

 では、起承転結を踏まえて、次のように書き換えたらどうでしょう。


【起】昨日、A子に電話した。

【承】元気がなかった。

【転】どうやら、彼と別れたらしい。

【結】でも、懲りずに婚活を続けるらしい。


 先程とは、ちょっと違う印象になるのではないでしょうか。

2行目の「元気がなかった」の一文で、どうしてだろうと思うし、3行目の「どうやら、彼と別れたらしい」の一文で、なぜ元気がなかったのかがわかり、「なるほど、そういうことね」と納得。

4行目を読んで、「婚活、頑張ってね」とエールを送りたくなる人もいるかもしれません。

 なぜかというと、2行目の「元気がなかった」で、読み手は興味をそそられ、元気がなかった理由を知りたくなり、3行目の「どうやら、彼と別れたらしい」で、その理由を知ることができ、一種の納得感が得られるからです。

 ここで着目していただきたいのは、最初の例文と起承転結を踏まえた例文の2行目と3行目です。

 最初の例文は、


昨日、A子に電話した。

彼と別れたらしい。

だから、元気がなかった。

でも、懲りずに婚活を続けるらしい。


起承転結を踏まえた例文は、


昨日、A子に電話した。

元気がなかった。

どうやら、彼と別れたらしい。

でも、懲りずに婚活を続けるらしい。


そう、「彼と別れたらしい」と「だから、元気がなかった」が入れ替わっているだけなのです。

このように数行入れ替えるだけでも、読み手を惹きつける文章に大変身をさせることができるのです。ですから、難しい芸当なんて、まったく必要がないのです。

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