【説得力・訴求力が増す文章を書く秘訣】

スーパーバイザー 倉林秀光

 まずは例文をご覧ください。


 ラグジュアリーホテルでは、質の高いサービスを受けることができます。

 それはゲストへの目配りが行き届いているからです。

 この例文を読んでどう思いましたか? 

 これだけでは、質の高いサービスと言われても、どういうものなのか、ピンとこないと思います。

 ゲストへの目配りが行き届いているといわれても、いまいちイメージが湧かないのではないでしょうか。

 では、こちらの例文はどうでしょう。


 ラグジュアリーホテルでは、質の高いサービスを受けることができます。

  • ロビーで○○新聞を読んでいることがわかったら、翌日、部屋に○○新聞を届ける。
  • 客室清掃の際、ゲストが紅茶をたくさん飲んでいたことがわかったら、紅茶のティーバッグを多めに用意しておく。
  • ゲストが設定したエアコンの温度などの情報を共有しておき、次に宿泊したときはゲストの好みに合わせておく。

 このように、ゲストへの目配りが行き届いているからです。

 どうです? こちらの例文を読むと、質の高いサービスとは何か? リピーターへの目配りが行き届いているとはどういうことなのかが、理解できるのではないでしょうか。

 何が言いたいかというと、「この箇所はとても重要で強調したいな」というときは、例え話を挿入すると説得力・訴求力が増すということです。

 そうすることで、文章に面白みが増すと同時に、「なるほど。そういうことか」と読み手も内容が瞬時に理解しやすくなるのです。

 ただ、例え話は長々と記せばいいというものではありません。

 見開き2ページで1項目を完結させるなど、文字数が限られている場合は、古今東西の偉人・賢者と呼ばれる人たちの名言、あるいは世界中に古くから伝わる格言などを挿入するのもいいかもしれません。

 たとえば、失敗という言葉を教訓という言葉に置き換え、教訓を得たからこそ人生は発展するということを述べる場合、どこかに次のような名言を記すだけでも、説得力・訴求力が増すはずです。

■ビル・ゲイツは次のようにいいます。
「ウィンドウズの開発に際し、われわれは多くの間違いを犯したが、そこから多くのことを学んだ」

■「私の現在が成功というなら、私の過去はすべて失敗が土台づくりをしていることになる。私の仕事は全部失敗の連続である」
 これはホンダの創業者・本田宗一郎の言葉です。

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