【ペルソナ】
スーパーバイザー 倉林秀光
言うまでもないことですが、出版社に提出する出版企画書の中には「読者対象」を明記する必要があります。
ビジネス書や自己啓発書であれば、20代~50代にかけてのビジネスパーソン。
恋愛・結婚をテーマにした本であれば、20代~30代にかけての独身女性。
といったように。
その際、できることなら、簡単で構いませんので、仮想の読者を対象としたペルソナを作成することをお勧めします。
「私が出したい本は仕事術、だから、こんな人に読んでもらいたい」
「人間関係の改善をテーマにした本を出版したいので、こんな人には是非、一読してもらいたい」
と、仮想の読者(身近にいる人をヒントにしても可)をイメージして、次のようなことを企画書に盛り込むようにするのです。
■33歳・男性
家族構成:既婚者(2歳年下の妻と3歳になる息子と3人暮らし)
職業:大手保険会社の営業マン
悩み:営業ノルマがなかなか達成できず、一度もトップを達成したことがない。後輩に追い抜かれることに一抹の不安を感じている。
■28歳・女性
家族構成:独身(新潟にある実家を出て、東京で一人暮らし)
職業:舗装材メーカーで経理
悩み:仕事自体はそれほど苦ではないのだが、2歳年上の先輩との折り合いが悪く、新入社員の教育でもストレスを溜めている。結婚願望大!
こうしたペルソナを企画書の中に盛り込めば、それを目にした編集者も「なるほど、こういう人たちが読者対象になるんだな」と、ターゲットが把握しやすくなります。
「それならば、こういう人たちもターゲットとして取り込んだらどうだろう」と、企画に前向きになってくれる可能性もあります。
こうした工夫をこらすことも、商業出版社から本を出す確率を高めるうえで大切なことなのです。