あなたの出したい本には1千万円以上の価値がありますか?

　1千万円以上の価値のあるモノって何でしょう。
　人によって、それは宝石かもしれません。
　スポーツカーかもしれません。
　高級時計かもしれません。
　いずれにしても、1千万円というお金は大金です。
　そんな大金をはたいて、そう易々とは買い物ができません。

　なぜこんな話をしたかというと、あなたの出したい本には1千万円以上の価値があるかどうかを、改めて再認識してほしいからです。
　たとえば、一冊１０００円の本をある出版社が出版したとします。
　この時点で出版社は、印刷屋にお金を支払わなくてはならないし、販促にもお金がかかります。つまり、持ち出しです。その額、おおよそ５００万円ほど。
　これでは５０００部売れて、どうにかプラマイゼロというところ。いや、会社の維持費などを考えると、それだけではまだ足りません。
　したがって、出版社が利益を出すためには、少なくとも、その倍の1千万円以上の売り上げがなくてはなりません。そのためには、本を１万部以上売ることが条件となります。

　もう、おわかりですよね。
あなたの出したい本には１千万円以上の価値がなければダメなのです。
「この本なら出版すれば、これだけ売れて、これだけの利益が出るだろう」と出版社が判断したとき、あなたの企画は通過するのです。
　極端な言い方をすれば、それを見越して、出版社はあなたの企画に先行投資するのです。
　本を出したいと願っている人は、まずはそのことを念頭に置いて、自分の企画には果たして１千万円以上の価値があるかどうかを冷静に吟味してみるといいかもしれません。