【オムニバス形式・構成案のリスク】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回、出版企画書の構成案をまとめるにあたって、オムニバス形式の方法を紹介しました。
ただ、これにはリスクがあるともいいました。
では、リスクとはいったい何でしょう。
そのことをお話しする前に、あなたにお尋ねしますが、雑誌などで星占いの特集ページをめくったとき、まずどこに目が行きますか?
あなたが射手座だとしたら、まず射手座のページに目を向けるのではないでしょうか。
今週の射手座の運勢は? 射手座の金運は? 射手座の恋愛運は?
どうです。図星でしょう。
西洋占星術は牡羊座から始まり、魚座で終わりますが、その順番で読み進めていく人なんかほとんどいないと思います。
せいぜい「彼(彼女)は天秤座だから……」と気になるあの人の星座のページを斜め読みするくらいです。
血液型占いも同じです。
「A型」「B型」「AB型」「O型」の順に解説が記載されていたら、A型の人はA型のページしか読まないと思います。
実はここにリスクが潜んでいます。
もし、これが雑誌ではなく、星座(血液型)別に章立てされた単行本だとしたら、どうなるか。
同じく、自分が該当する星座(血液型)の章しか読まないと思います。
ましてや、それが10分程度で読めるものだとしたら、立ち読みで終わってしまいます。
ということは、本を買ってくれないわけだから、書店も出版社も踏んだり蹴ったり。
そう、一歩間違えると、いくら内容が良くても、「本が売れない」という問題に直面しやすくなるのです。
私がいうリスクはここにあります。
したがって、オムニバス形式で構成案をまとめるときは、そうならないようにするための工夫をこらすことが大切になってきます。
要は、最初から最後まで全章を通して読んでもらうためには、どうすればいいのかが、最重要課題となるのです。
では、そのためにはどうすればいいのか。
これについては別の機会にお話ししましょう。