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【その企画、再現性がありますか?】

スーパーバイザー 倉林秀光

 

私がまだ30代前半のころです。

 

ある出版社の編集者とタッグを組んで、当時引退したばかりの横綱千代の富士を著者に仕立て、「ウルフ流・筋肉のつけ方」という企画を立案したことがありました。

 

著者の実績は言うまでもないことですが、申し分ありません。

 

引退して親方になったとはいえ、千代の富士が著者なら確実に売れるだろう。

 

そう踏んだ私たちでしたが、なんとその出版社の営業会議で却下されてしまいました。

 

なぜか? 再現性がないというのが、その理由です。

 

現役時代の千代の富士は毎日腕立て伏せを500回行っていました。

50回やって休んで、また50回やって休んで……というやり方を繰り返していたのです。

 

腕立て伏せの後はバーベルを持ったり、自転車をこいだり、階段の昇り降りを繰り返すというトレーニングを行ったりもしました。

 

それを簡略化したトレーニング方法を30アイテムほど紹介していこうという内容でしたが、マッチョならともなく、一般の人(対象は男性)からすれば、「再現性に乏しい」「どのアイテムも三日坊主で終わってしまいそうな感じがする」ということで、見送られてしまったのです。

 

私の失敗談は少なからず、本を出したいと考えている人にも参考になると思います。

 

たとえば、「私はこういう方法で痩せたし、私の指導でこれだけの人が痩せた。それを本にしたい」と考えていたならば、“その方法は簡単に誰でもできるものなのか”を吟味してほしいのです。

 

「こういう営業手法でトップセールスマンになることができた。そのノウハウを本にして読者に伝えたい」と考えている人もしかり。

 

「その営業手法は営業(セールス)に携わるビジネスパーソンにとってハードルが高くはないだろうか」ということを、読者目線に立って検証してほしいのです。

 

  • いつでも、どこでも、簡単にできるものなのか?

 

  • 効果はすぐに現れるものなのか?

 

本を出したい人は、この二点に目を向ける。まずはこれです。

 

 

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