【Amazonのレビューに一喜一憂するな】
スーパーバイザー 倉林秀光
初めて本を出す著者の中にはこう思っている人も少なくありません。
Amazonにプラスのカスタマーレビューがたくさん書き込まれるといいのだが、マイナスのカスタマーレビューが多く書きこまれたらどうしよう……。
こう言ってくる著者に私は次のようにアドバイスするようにしています。
マイナスのカスタマーレビューがそんなに気になるなら、はじめから本を出版しようなんて考えないことです。
そんなことをいちいち気にしていたら、神経をすり減らすばかりで、身がもちませんよ。
Amazonにはマイナスのカスタマーレビューがつきものです。
星5つのカスタマーレビューの数がどんなに多くても、必ず星1つや2つのカスタマーレビューがついてまわります。
でも、それはある意味致し方のないこと。
たとえば、これはあくまで私の創作ですが、「一週間で好きなモノを好きなだけ食べても3キロ痩せられるダイエット法」をテーマにした本があったとします。
ところが、「トマトを毎日必ず1個は食べなければいけない」という前提で、その本が書かれてあって、読み手が大のトマト嫌いだとしたら、どうなるでしょう。
どんなに素晴らしいことが本に書かれてあっても、その人は星5つのカスタマーレビューはつけないと思います。
むしろ、トマト嫌いの人からすれば、「何の役にも立たない。読むだけムダ」と星1つのカスタマーレビューをつける可能性があります。
おしなべて、読み手の折々の状況、価値観、嗜好、あるいはそのときの感情などで、本に対する評価はまちまちになってしまうのです。
ですから、これから本を出そうとする人は、「マイナスのカスタマーレビューはついてまわるもの」くらいに軽く考えるべきです。
そう、車を運転すれば、赤信号に出くわすのは当たり前――それと同じ感覚でとらえてほしいのです。
だいいち、マイナスのカスタマーレビューが多いということは、それだけ本が読まれ、話題になっているということ。
むしろ、問題なのは、カスタマーレビューがひとつも掲載されないことではないでしょうか。