【出版社は数字に弱い】
スーパーバイザー 倉林秀光
画期的なダイエット法を編み出したので、自分の名前で本を出したい。
今までにない集客方法を開発したので、それを一冊の本にまとめたい。
こう言ってくる人に対して、私は必ず次のような質問をすることにしています。
それに対して、あなたには実績がおありですか?
このとき「実績はこれから作ります」と答える人がごくたまにいますが、そういう人に対しては「商業出版社から本を出すのは極めて難しいと思います」と、はっきりとダメダシするようにしています。
なぜか?
最近の出版界の傾向として、どこの出版社も著者の実績を重視するからです。
仮に画期的なダイエット法を編み出したとしても、「数人(数十人)しか指導していない」では論外。
いかにそのダイエット法が画期的で素晴らしいものであったとしても、出版社はまともに取り合ってはくれません。
指導数を例にとれば、出版社が査定の基準にするのは、数人(数十人)ではなく、少なくても数百人。理想をいえば数千人。
著者がブログでダイエットについて毎回記しているとしたら、出版社が査定の基準にするのは、月間PVブロガー数は最低でも10万。
FBもしかりで、出版社が査定の基準にするのは、「いいね」の数が常時100以上、コメントは最低でも10以上。
まずは、このことをキチンと認識していただきたいのです。
参考までに、かんき出版から『宇宙風水』という本を出版された占術家の小池雅章さんを例に出すと、実績は次のような感じになります。
年間の相談者数 → 1500人(対面鑑定のみの数で電話相談は除く)
的中率 → 99%
月間PVブロガー数 → 60万人
これはちょっと極端なケースかもしれませんが、要するに出版社は数字に弱いのです。
しかし、「自分の場合、これらの数字が低めだから」といって失望することはありません。出版にこぎつけられる方法は他にもあります。
それは著者サイドでさばける本の冊数。
実績面での数字が弱かったとしても、著者サイドでさばける本の数が1000、2000、3000……と多ければ多いほど、出版社は前向きに検討してくれます。
「出版記念パーティーで最低500冊は完売させる自信があります」というのもいいですね。
商業出版社から本を出したい人は、テーマや内容もさることながら、こうしたことに目を向けておくことも、これからは大切になってくるのです。