【企画書に専門用語・業界用語は使わない!】
スーパーバイザー 倉林秀光
以前、俳優の故丹波哲郎さんとお仕事をご一緒させていただいたとき、私にこうおっしゃってくださったことがあります。
倉林さん。ボクが「死後の世界」をテーマにした本を何十冊も出版できた理由は何だと思います?
それはね。ボクが俳優だからじゃない。有名人だからじゃない。
「死後の世界」をね。とにかく、わかりやすく解説したからなんです。
そう、子供が読んでもわかるようにね。
わかりやすい。これが一番。
同じことは出版企画書にもいえると思います。
時たま、企画書の添削を依頼されることがあるのですが、
「これはダメだなあ……」と思える企画書はとにかく難解でわかりづらい。
いわんとすることがチンプンカンプン。専門用語のオンパレード。
そういうこともあって、途中で読み進めることに抵抗を感じ、嫌気がさしてしまいます。
だからというわけでもありませんが、私は企画書を作成するとき、難解な言葉・難解な表現は一切用いないようにしています。
そうです。学者・研究者の企画書であっても。
いや、学者・研究者の企画書だからこそ、小学生でもわかるように書いています。
前にもこのブログで記しましたが、編集者は忙しい合間をぬって、著者から送られてきた企画書に目を通しています。
ただでさえ、目を酷使、頭を酷使しているのに、難解でわかりづらい企画書を目の当たりにしようものなら、それだけでマイナスの印象を抱かれてしまいます。
そこで、自分で企画書を作成するときは、子供に読ませるくらいの気持ちで、とにかく「わかりやすさ」を心がけることです。
なおかつ、専門用語・業界用語はできるだけ使わないようにする。
スラスラと読めるようにする。
こういったことを肝に銘じるだけでも、編集者の印象は違ってくるでしょう。