今こそ新人著者が活躍するとき!
スーパーバイザー 倉林秀光
昨今、出版業界は未曽有の大不況に陥り、一部の著者の本しか売れないといわれています。
本当でしょうか。
これに対する私の答えはやはり「イエス」です。
今、多くの出版社は手っ取り早く売れるであろうと計算できる本しか作ろうとしません。
ただし、これは出版社だけに問題があるわけではありません。
たとえば、取次店。
最近、取次店は本のテーマや内容などほとんど見ることなく、著者の知名度と実績だけで配本部数を決めようとします。
では、書店はどうでしょう。
書店も同じで、そうした著者の本しか店頭に並べようとしません。
だから、三冊、四冊と本を出すことができても、それらの本がほとんど売れなかったとしたらら、「この著者はダメ」という烙印を押され、新たにどんなに優れた企画を用意しても、ないがしろにされてしまう傾向があるのです。
ところがです。
新人著者の場合、「この人の本は売れる。売れない」という実績が善くも悪くもありません。まったくの未知数です。
ひょっとしたら、バカ売れする可能性があります。
ベストセラーになるかもしれません。
おしなべていうと、今まで本を出したことのある著者よりも、本を出したことのない無名の新人著者のほうが、企画がおもしろければ、出版社は前向きに検討してくれるのです。
売れない本を出しつづけた著者よりも、出版の確率が大幅に高まるようになるのです。
その意味においては、無名の新人著者にとって大きなチャンスのときでもあるのです。