【ブランディング目的で本を出すのは危険!】
スーパーバイザー 倉林秀光
自分の名前で本を出すと、さまざまなメリットが生じるようになります。
まず、新聞やテレビ局といったマスメディアから取材されるようになります。
メディアへの寄稿の機会も生まれるようになります。
講演やセミナー講師の依頼も増えます。
専門家――その道のエキスパートとしての地位も確立でき、信頼度も高まります。
認知度が高まり、PR効果が増すため、集客・売り上げの向上が期待できるようになります。
人脈も増えます。
こうして見ると、いいことづくめ。まさしくブランディングですね。
でも、あなたがこうしたメリット――ブランディングだけを目的として、本を出そうと考えているとしたら、要注意!
商業出版社から本を出せる確率は数パーセント。
運よく出版にこぎつけることができたとしても、ブランディングで成功する確率は1割以下と考えていいでしょう。
なぜか?
ブランディングだけを目的としている人は、自分の本当の強み・ノウハウといったものがキチンと認識できていません。
仮に認識できていたとしても、強み・ノウハウといったものが体系化されていません。
そのため、編集者の琴線にふれることはないからです。
もちろん、高額のお金を支払えば、商業出版社から本を出せなくもありません。
しかし、自分の本当の強み・ノウハウといったものがキチンと認識できておらず、ましてやそれらが体系化できていないとなると、本の章立て・構成もいい加減になります。
そんな本が売れると思いますか?
売れるはずがありません。
むしろ、Amazonのレビューで酷評されるのがいいところ。
要するに、ブランデイング目的のはずが、逆ブランディングの結果を招いてしまうことになるのです。
これは商業出版社に限ったことではありません。
電子書籍にも同じことがいえます。
あの人、電子書籍を出したけど、たいしたことないな。
書いていることが稚拙だな。
と、評価されるのがオチ。
ですから、思い当たる人はこれを機に、自分はどういう目的で本を出したいのかを、改めて見つめ直してみませんか。
言い換えると、どういう目的で本を出したいのかを明確にすることが重要で、そのためには意識を「for me」から「for you」に切り替えることが大切になってくるのです。
では、意識を「for me」から「for you」に切り替えるとは、どういうことなのか?
それについては次回お話したいと思います。