【起承転結を意識して構成案を作成する その2】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回、出版企画書の構成案をうまくまとめるためには、「起承転結」を意識することが大切になってくるといいました。
起で、先の展開が楽しみになるように、読み手の興味・関心を引く。
承で、読み手の興味・関心をいっそう引く。
転で、書き手がいちばん強調したいことを記述する。
結で、満足感に浸らせる。
では、この手法を具体的にどう用いていけばいいのでしょう。
拙著『イヤな仕事は絶対するな!』(サンマーク出版)の第1章を引き合いに出すと、私はまず人に言えない恥部を「起」でさらけ出すようにしました。
先の展開が楽しみになるように、読み手の興味・関心を引くためです。
「起 → 著者である私(倉林)は、ワケあって34回も転職を繰り返した」
次の「承」で、本のテーマとからめ、読み手の興味・関心をいっそう引くように努めました。
「承 → でも、天職中の天職(いのちの仕事)に就いたおかげで人生が一変」
そして、いよいよ私が一番強調したいことを「転」で持ってきます。
「転 → 天職中の天職(いのちの仕事)は、あなたも見つけ出すことができる」
最後の「結」で読み手に「この本を手にして良かった」と思っていただくための余韻を次のように残します。
「結 → 天職中の天職(いのちの仕事)を見つける方法を本書ではお伝えしたい」
どうです? なんとなくおわかりいただけましたか?
繰り返しいいましょう。
起で、先の展開が楽しみになるように、読み手の興味・関心を引く。
承で、読み手の興味・関心をいっそう引く。
転で、書き手がいちばん強調したいことを記述する。
結で、満足感に浸らせる。
この4プロセスを踏むように心がけてほしいのです。
ところが、構成案をうまくまとめられない人は、必ずといっていいほど、転(書き手がいちばん強調したいこと)を最初にもってこようとします。
これでは後がつづきません。
まずは、読み手の興味・関心を引くことからスタートする。
これを心がけるだけでも、構成案がグンとまとまりやすくなるはずです。