営業代行にもコツがあります
スーパーバイザー 倉林秀光
忘年会シーズンなので、今回はそれに関係する話を。
心理学に「ランチョン・テクニック」という言葉があります。
ランチョン・テクニックというのは、飲食をしながら相手と交渉する手法で、おいしい食事や楽しい時間が会話の内容にポジティブに結びつくというものです。
料理を楽しみたいという思いから、お互いがお互いに対して、好意的な態度をとります。
それによって、要望や交渉事が受け入れられる確率が上がるため、政財界の人も、よくこの手法を用いるといいます。
実は、私も出版社の編集者に企画を売り込むとき、このランチョン・テクニックを利用することがあります。
親しくしている編集者が「倉林さん、たまには一杯やりませんか」と言ってくることもあれば、私のほうからお誘いすることもあります。
そして、ビールで乾杯した後は、お互いの近況を簡単に報告。
旬のお刺身が出てきたところで、「実は、ご検討していただきたい企画があるのですが……」と言って、企画書を提出します。
そういうとき、たいていの編集者はその場で丁寧に目を通してくれます。
行けそうならば、「早急に会議にかけます」と言ってくれることもあります。
担当者が編集長クラス・取締役クラスの人であれば、「この著者に至急お会いしたい。倉林さん、お手数ですが、段取りをつけてもらえませんか」と言ってくることもあります。
こうした言葉が耳にできればしめたもの。
後は飲めや歌えやのドンチャン騒ぎ……。
二件目はカラオケでディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」……。
最近、営業代行と称して、FAXで企画書を出版社に手当たり次第に送るコンサルタントがいるみたいですが、私からすれば、それは信じられないこと。
原則、リアルで企画書を提出する。
(正確に言うと、お酒を飲みながら、食事をしながら……・笑)
その場で意見を述べていただく。
不具合があれば、早急に修正する。
編集者が興味・関心を示したら、著者と会う段取りを早急につける。
これがブランディング出版プロデュースの営業代行のやり方なのです。