企画書にこんなタイトルはNG! その2
スーパーバイザー 倉林秀光
前回、私は次のような話をしました。
髪の毛が薄いことで悩む友人は『数週間でみるみるハゲが治る』というタイトルの本を書店で買おうとしていた。
しかし、そんなタイトルがついた本をレジに持っていくのは恥ずかしい。
そこで、友人の代わりに私がその本をレジに持っていこうとした。
すると、私まで「なんだか、こんなタイトルの本をレジに持っていったら、『この人、ひょっとしたら、カツラかしら……』と思われたらどうしよう……」という不条理な錯覚に陥ってしまった。
この話を通して言いたいのは、「ハゲ」をはじめ、「不妊症」「インポ」「貧乳」「わきが」といった身体のコンプレックスを表すタイトルがついた本は、レジに持っていきにくいということです。
その根底には、
「レジの店員にインポと思われたらどうしよう……」
「レジの店員から、不妊症と思われるのがイヤだ」
という思いがあるからであり、その結果、内容がどんなに素晴らしくても、書店での売れ行きが悪くなってしまうのです。
これは健康本に限ったことではありません。
どんな内容の本であれ、ネガティブなタイトルは出版の企画書にもつけない。
むしろ、ポジティブなタイトルをつける。
これが、タイトルをつけるうえでのポイントになります。
「なぜ、あなたは貧乏から脱却できないのか?」というテーマであれば、「お金持ちになるための7つのルール」。
「なぜ、あなたは結婚できないのか?」というテーマであれば、「運命の人と出会う法」。
「なぜ、あなたのお店にお客が集まらないのか?」というテーマであれば、「みるみるお客が集まる集客術の極意」。
そうすれば、編集者は「この人は勉強しているな」ということで、著者候補の人に好印象を抱いてくれるようになるに違いありません。