【続 その企画、再現性がありますか?】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回、本を出したい人が自分のメソッドを伝える場合、再現性が高いかどうかを吟味し、
- そのメソッドは、いつでも、どこでも、簡単にできるものなのか?
- 効果はすぐに現れるものなのか?
といったことを、読者目線で考えることが重要になってくるといいました。
この点を踏まえてプロデュースさせていただいた本が『転びたくなければ足の親指に輪ゴムを3分巻けばいい』(土田君枝著/KKロングセラーズ)です。
この本の趣旨は平衡感覚と立体感覚の働きを改善すれば、転びにくくなる。
そのためには、平衡感覚と立体感覚をつかさどる脳の反射区を足裏療法で刺激すればいいというものです。
しかし、読み手はズブの素人。セラピストではありません。
足の親指をどのくらいの力でどのくらいの時間刺激すればいいかを、図解を交えてわかりやすく説明したとしても、再現性がいまいち高まりません。
ところが、足の親指の特定の部位に輪ゴムを一定の時間巻けば、同様の効果が得られることを、著者サイドから聞いたとき、「それならいける」と確信しました。
足の親指に輪ゴムを巻くだけなら、いつでも、どこでも、誰でも手軽にできる。
筋トレ運動もいらない。
巻けば効果はすぐに現れる。
そう、再現性があったのです。
実際、87歳になる母親の足の親指に試しに輪ゴムを巻いたところ、確かによろける頻度が減るようになりました。
これは、この本に限ったことではありません。
前回も書きましたが、あなたが画期的なダイエット法を編み出したとしても、あるいは今までにない斬新な営業テクニックを考案したとしても、再現性が高くなければ、意味がありません。
それがどんなに素晴らしいものであれ、読者にも簡単に実践できるかどうかが重要になってくるのです。