【タイトルの付け方 その5】
スーパーバイザー 倉林秀光
今回も出版企画書にタイトルをつけるにあたってのポイントについてお話しします。
今回は長いタイトルをつける手法についてです。
この手法はビジネス書をはじめあらゆるジャンルの本に見られ、代表的なものにミリオンセラーを記録した『もし高校野球の女性マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』『死ぬまで仕事に困らないために20代で出逢っておきたい100の言葉』などがあります。
こうした長いタイトルは、「この本はこういう内容ですよ」と、本の概要の説明にもなるため、読者も瞬時に理解できるというメリットがあります。
また、『もし高校野球の女性マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を例にとると、「マネジメント」を読んだら、どうなるんだろう」というその後の展開が気になります。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の場合は、どうやって偏差値を40も上げたのかが、気になります。
そうした相乗効果によって、読者は手に取らざるをえなくなる。
つまり、一石二鳥ならぬ、一石三鳥の効果が期待できるのです。
しかし、メリットがあれば当然デメリットもあります。
それはツボを押さえていないと、平凡でつまらない表現になってしまうことです。
たとえば「金運と仕事運を良くするために、10年前から私が密かに実践している8つの習慣」みたいなタイトルの本はどうでしょう。
何となく、まどろっこしい感じがしますよね。
「密かに」という部分がほんの少し気になりますが、ものすごく興味・関心をそそられるほどではありませんよね。
これだったら、ストレートに「運を良くするための8つの習慣」と言い切ってしまったほうがわかりやすいと思います。
そう、長いタイトルをつけるときは、本の概要が瞬時にわかると同時に、ものすごく興味・関心をそそられ、展開がものすごく気になるものでなければならないのです。
そうやって書店の棚に置かれてある本の中から手に取ってもらえれば、しめたものです。