【タイトルの付け方 その4】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回同様、今回も出版企画書にタイトルをつけるにあたってのポイントについてお話しします。
今回は、短いタイトルをつける手法についてです。
この手法もビジネス書や自己啓発書などでよく見られ、代表的なものにミリオンセラーを記録した『脳内革命』『生き方』(ともにサンマーク出版)、『成功哲学』(産能大出版部)などがあります。
私もたまにこの手法を用いることがありますが、これが意外と難しい。
数文字のタイトルワードで本の概要を表現しなくてはならず、なおかつ読者(企画書を提出する場合は編集者)の琴線に刺さるようなインパクトが求められるからです。
私がプロデュースした本の中でうまくいったケースとしては、占術家・小池雅章さんの『宇宙風水』を挙げることができます。
ご存知でしょうが、風水とは生活空間に流れている「気」を有効に活用していくための古代中国から伝わる教えをいいます。
生活空間といっても、今住んでいる家や職場に限ったことではありません。
宇宙規模の視点で考えると、地球そのものが生活空間という解釈も成り立ちます。
しかも、太陽系の各惑星にもプラスの気とマイナスの気が存在し、私たち人間の運気にかなりの影響を及ぼしている。
これをうまく活用できるかできないかで、人生はガラリと変わってくる。
そんな話を著者の小池さんからうかがっていくうちに閃いたのが「宇宙風水」というタイトルなのです。
「宇宙」も「風水」も神秘的なワード。それでいて異質なもの。
この二つをコラボさせたら、本の概要も表現できるし、インパクト大だ。
果たして、私の読みは的中。
斬新なタイトルということもあり、かんき出版の編集者が注目してくれ、出版の日の目を見ることができたのです。
ただし、前述したように、この手法は難しく、一歩間違えると、平凡で面白味のタイトルになってしまい、それが企画書であれば、編集者にマイナスの印象を与えてしまうことです。
したがって、無理して短いタイトルにこだわる必要はなく、「これだ」という閃きがなければ、他の手法を用いたほうがいいかもしれません。