読者対象を限定するな!
スーパーバイザー 倉林秀光
まずは、みなさんに質問します。
ここに以下の二つの企画があるとします。
「70歳から始める英会話」
「ハードロックでマスターする英会話」
さて、みなさんなら、この二つの企画が本になった場合、どちらが売れると思いますか。
私の意見を言わせていただくと、どちらも「NO」。
たいして売れないと思います。
ということは、企画を出版社に提出しても、却下される可能性が極めて高いということになります。
なぜでしょうか。
どちらの企画も読者対象を限定しているからです。
まず「70歳から始める英会話」。
これはもう完全に「70歳以下の人は読まなくてもいい」と言っているようなもの。
では、70歳以上の全員が読者対象になりうるかというとさにあらず。
「70歳を過ぎて英会話を始めよう」と積極的に考えている高齢者は、そうでない高齢者に比べると、圧倒的に少ないと思います。
次の「ハードロックでマスターする英会話」はどうでしょう。
これも、ある意味、「ハードロックが好きな人だけ読んでください」と言っているようなもの。
ということは、そうでない人はビートルズが好きでも、ローリング・ストーンズが好きであっても、読者対象から外されることになります。
言うまでもないことですが、読者対象を限定すると、限られた人しか本を買わなくなります。
ということは、限られた冊数しか、本が売れなくなります。
そうなると、出版社も赤字になってしまいます。
ですから、企画を立案する場合は、できるだけ読者を限定しないことです。
読者対象を広げることです。
これもまた、商業出版社から本を出す確率を高めるために大切なことなのです。