【企画書のページ設定フォーマット】
スーパーバイザー 倉林秀光
心理学の専門用語に「ハロー効果」という言葉があります。
ハロー効果とは、特定の人物や物事を評価するとき、目立って優れている特徴、もしくは劣っている特徴がある場合、それが人物や物事の他の特徴に対しても連鎖的に影響を与えてしまう人間特有の心理作用のことをいいます。
問題なのは、それがマイナスに働いてしまう場合です。
たとえば、レストランに入り、フルコースの料理を頼んだら、最初に出てきたスープがぬるくて、味もいまいちだとします。
すると、その後に出てくるサラダやメインディッシュやデザートも(本当は美味しいのに)、いまいちのように感じてきて、「もう、ここに来るのはよそう」と考えるようになります。
これがマイナスのハロー効果です。
出版企画書も同じです。
企画そのものはものすごく斬新でいい。
著者の実績も申し分なし。
にもかかわらず、文字のフォントがものすごく小さかったり、文字がぎっしり詰まっているような読みにくいフォーマットで作成したものを提出したらどうなるか。
それだけで編集者はマイナスの印象を抱いてしまいます。
読みづらいな → 自己主張が激しい理屈っぽい著者なんだな → こういう著者の本って売れないんだよな……。
こういったマイナスのハロー効果が働いてもおかしくありません。
そこで、フォーマットはA4に限定し、Wordで作成する場合、以下のスタイルでページ設定することをお勧めします。
フォントサイズは10.5もしくは11。
1行38~40字。
行数は30~36行。
書体は基本MS明朝。
私の経験上、このスタイルのページ設定がいちばん読みやすく、それによって初期段階で編集者にマイナスの印象を与えることは、まずなくなるはずです。