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【タイトルの付け方 その6】

スーパーバイザー 倉林秀光

 

引き続き、出版企画書にタイトルをつけるにあたってのポイントについてお話しします。

 

今回は「~しなさい」「~するな」という命令形のタイトルをつける手法についてです。

 

この手法は意外に多く、

 

『置かれた場所で咲きなさい』

『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』

『情報は1冊のノートにまとめなさい』

『英語は絶対勉強するな!』

『営業マンは「お願い」するな!』

 

などがあります。

 

こうしてみると、どれも上から目線ですね。

 

でも、見方を変えれば、「~しなさい」「~するな」というタイトルを目にすれば、読者は瞬間的にこんな錯覚に陥ります。

 

「~しなさい、~するな、というからには、著者は自分のノウハウに相当自信を持っているのかもしれない」

 

しかも、そこに意外性やひねりがあれば、読み手は間違いなく興味・関心を抱いてくれます。

 

その代表が『英語は絶対勉強するな!』です。

 

この本は「英語を習う」ことよりも「英語に慣れる」ことの大切さを説いているのですが、「英語は習うよりも慣れろ」とうたってしまっては、読み手はさほど興味・関心を抱いてくれません。

 

しかし、習うを「勉強」という言葉に置き換え、「英語に慣れなければ、勉強しても意味がない」という理屈をつければ、「英語は慣れることが大事だから、勉強しようと考えないほうがいい」、ひいては「英語は勉強するな」という理屈も成り立ちます。

 

しかも、英語は義務教育においても必須科目。

その英語を勉強するなと言われたら、誰もが「なぜ?」「どうして?」と思わざるをえなくなります。

 

『英語は絶対勉強するな!』がベストセラーになったのは、そうしたことが大きく関係しているといってもいいと思うのです。

 

ただし、こうしたひねりがないと、ただの命令形になってしまい、読み手に不快感を与えることになるので注意が必要です。

 

 

 

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