【「そのうち族」と「今すぐ族」】
スーパーバイザー 倉林秀光
世の中の人たちは「そのうち族」と「今すぐ族」の二つに分かれるというのが私の持論です。
「そのうち族」というのは、「そのうち○○したい」「そのうち○○になれればなあ」と思っている人たちのことをいいます。
そのうち、結婚できればなあ……。
そのうち、起業できればなあ……。
そのうち、海外旅行に行ければなあ……。
そのうち、ダイエットできればなあ……。
そのうち、健康になれればなあ……。
これに対し、「今すぐ族」というのは、「今すぐ○○したい」「今すぐ○○になりたい」と思っている人たちのことをいいます。
今すぐ、結婚したい!
今すぐ、起業したい!
今すぐ、海外旅行に行きたい!
今すぐ、ダイエットしたい!
今すぐ、健康になりたい!
重要なのはここからです。
実用書・ビジネス書・自己啓発書といったジャンルを問わず、本を買う(読む)人は、「そのうち族」と「今すぐ族」のどちらが多いと思いますか。
やはり、「今すぐ族」だと思います。
今すぐ、結婚したい!
だから、そのテーマの本を買おう(読もう)とするのです。
今すぐ、起業したい!
だから、そのテーマの本を買おう(読もう)とするのです。
今すぐ、海外旅行に行きたい!
だから、そのテーマの本を買おう(読もう)とするのです。
今すぐ、ダイエットしたい!
だから、そのテーマの本を買おう(読もう)とするのです。
今すぐ、健康になりたい!
だから、そのテーマの本を買おう(読もう)とするのです。
もし「そのうち……」と思っていたら、すぐには買おう(読もう)とはしないはずです。
急がなくてもいい。いつでもいいわけですから。
逆にいうと、「運を良くする方法」をテーマにした本がいつの時代もそこそこ売れるのは、みんな「今すぐ、運を良くしたい」と願っているからなのです。
商業出版社から本を出したい人はこの点を熟慮し、自分の立案した企画は「今すぐ族」の琴線にふれるかどうかを点検してみることが重要になってきます。
自分はこういうテーマの本を出したい。
こういう人たちを読者対象にしたい。
その人たちの「今すぐ○○したい」「今すぐ○○になりたい」という思いに迅速に応えられるか?
しかも、そこに今までにない斬新さがあるか?
こうしたポイントを押さえて企画を練ることも、商業出版社から本を出す確率を高めるうえで大切なことなのです。