本のタイトル誕生秘話(出版裏話)

本のタイトル誕生秘話(出版裏話)

スーパーバイザー 倉林秀光

 

前回、タイトルがネックになって買えない消費者が増えたため、編集者はタイトルの命名に、ものすごく頭を抱えていると言いました。

私が土田君枝さんの本を総合プロディースしたときがまさにそうでした。

企画内容が面白いということで、出版に向けて編集作業も着々と進んでいた矢先、編集者からある悩みを打ち明けられました。

それは、とりもなおさず「うつ」というNGワードの件でした。

当初、その本は、『「うつ」は足ツボで治る!』という仮のタイトルで作業を進めていたのですが、「ウツ」という言葉をタイトルに入れることに、社内で反対意見が続出したらしいです。

そこで、編集者と著者の土田さんと私の三人が何度も話しあった結果、タイトルを『「心の疲れ」は足ツボで治る!』に変更することになりました。

つまり、「ウツ」を、「心の疲れ」という言葉に置き換えたわけです。

本のタイトルをソフトな表現にすると、レジに持って行きやすくなる半面、本のインパクトが弱まり消費者に気づいてもらえにくくなるというデメリットがあります。

編集者は、そういうジレンマと闘っているのですが、打開する1つの方法として、著者も積極的にタイトルを提案してみることです。

素人だからこそ出てくる単語や表現もなきにしもあらず。編集者とは違った角度から見られるため、斬新なタイトルが思いつくことだってあります。もちろん、採用されるのは、何十個、何百個に1つぐらいの確率ですが、ダメモトで挑戦してみるのもいいでしょう。

腕組みなどして、「良いタイトルが浮かばないな……」と頭を悩ませるのも、著者の醍醐味です。

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