企画書にこんなタイトルはNG! その1
スーパーバイザー 倉林秀光
今回は、私自身のちょっとした体験を紹介しましょう。
以前、私は高校時代の親友と「たまには一杯やろう」ということで、新宿・紀伊国屋本店の1F・エスカレーターの前で待ち合わせをしたことがありました。
数年ぶりに再会を果たした友人は、開口一番、私にこう言ってくるではありませんか。
「倉林! ちょっとお前にお願いしたいことがあるんだけど……」
「なに?」
「実はさあ、お金を渡すから、この紙に記したタイトルの本を買ってきてほしいんだ」
友人から手渡された紙を見ると、そこには「数週間でみるみるハゲが治る」みたいなタイトルが書かれてありました。
「なぜ、オレが買うんだい? 自分で買えばいいじゃないか」と私が尋ねると、友人はいわく、「ほら、ご覧のように、オレってハゲているだろう。だから、本をレジに持っていくのが恥ずかしいんだ」
「なるほど、そういうことか……」
ようやく納得した私は、彼からお金を受け取り、早速、戸棚からその本を取り、レジに持っていこうとしました。
すると、私までこんな思いにかられ、戸惑ってしまったのです。
「なんだか、こんなタイトルの本をレジに持っていったら、自分までハゲだと思われそうだな。髪の毛はフサフサしているけど、『この人、ひょっとしたら、カツラかしら……』と思われたらどうしよう……」
つづく