【類似書との差別化】
スーパーバイザー 倉林秀光
私はコンサルを行うとき、クライアントに必ずある質問をするようにしています。
それは以下のようなことです。
■類似書はありますか? お調べになりましたか?
■類似書があった場合、あなたが出そうとしている本との最大の違いは何ですか?
なぜ、こんな質問をするかというと、その返答を私なりに整理して出版企画書に盛り込むからです。
出版社の編集者が企画を検討するとき、著者が新人であれば、二つの点を重視します。
一つは著者の実績。
もう一つは企画内容。
後者を重視するとき、編集者は必ず類似書の売れ行きをチェックします。
このとき問題になってくるのは、類似書の売れ行きが悪いとき。
「企画はおもしろそうだけど、どの本も売れ行きも悪いし……」ということで、見送られてしまう可能性があります。
あるいは、類似書の売れ行きが良くても、「いかにもありそうな内容だな」と思われたら、これまた見送られてしまう可能性があります。
それを防ぐために、私はあえて「類似書との相違点」を企画書で強調するようにしています。
それによって、企画の斬新さ・おもしろさといったものを訴求しているのです。
参考までに、心理カウンセラーの須藤久美子さんの企画を出版社に提出した際、どういうことを記したかを明記しておくので、みなさんも参考にしてください。(注:この企画は後に『周りを気にせずにあなたの感情とうまくつきあう方法』というタイトルでフォレスト出版より出版されました)
- 感情のコントロールをテーマにした類似書と大きく違う点は「感覚器」という器官にフォーカスした内容であること。
- すぐにチャレンジできる実践形式であること。
- メソッドの内容は、栄養学・心理学・脳科学などのエビデンスに基づいて作成されたオリジナルであること。
- スピリチュアルや健康維持・向上を目的とした本ではなく、ビジネスや日常生活の場で活用できる自己啓発系の書であること。