【著作権侵害にあたる文章 あたらない文章 その2】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回に引き続き、今回も著作権侵害を犯さないようにするためのポイントについてお話しましょう。
まずは、アメリカの宗教家ジョセフ・マーフィーの次の言葉を一読ください。
良いことを思えば良いことが起こる。悪いことを思えば悪いことが起こる。
あなたの人生はあなたの思い描いたとおりに展開していく。
マーフィーのこの言葉をヒントに、ある著者が次のような文章を書いたらどうなるでしょうか。
人間の潜在意識には思いを現実に至らしめる働きがある。
なぜなら、想念にはエネルギーがあるからだ。
ゆえに、良いことを思えば良いことが起こる。悪いことを思えば悪いことが起こる。
あなたの人生はあなたの思い描いたとおりに展開していく。
言うまでもないことですが、上記の文章は完全に著作権を侵害しています。
最初の二行はオリジナルの文章ですが、後半二行は、マーフィーの言葉をそのまま使ってしまっています。
では、こういう場合、どのような記述が望ましいのか?
私なら次のようにします。
人間の潜在意識には思いを現実に至らしめる働きがある。
なぜなら、想念にはエネルギーがあるからだ。
アメリカの宗教家ジョセフ・マーフィーも著書『眠りながら成功する』(ジョセフ・マーフィー著/大島淳一訳/産能大出版部)の中で次のように述べている。
「良いことを思えば良いことが起こる。悪いことを思えば悪いことが起こる。あなたの人生はあなたの思い描いたとおりに展開していく」
要は、「他の本から引用しますよ」という断りを入れたうえで、マーフィーの言葉をそのまま記述する手法を取り入れるのです。
その際のポイントは、著者名(翻訳者名)と出版社名をキチンと明記すること。
また、原文を忠実に書き写すこと。
たとえ、原文に誤字脱字があったとしてもです。
さらに、巻末に参考文献・引用文献として、本のタイトル・著者名(翻訳者名)・出版社名をこれまたキチンと明記すること。
そして、引用の数はほどほどにすること。
こうした工夫も著作権侵害を犯さないために大切なことなのです。