【本のタイトルの付け方 その7】
スーパーバイザー 倉林秀光
今回も出版企画書にタイトルをつけるにあたってのポイントについてお話しします。
今回は、なんと「柳の下のドジョウ戦略」についてです。
この手法はあらゆるジャンルの書籍に用いられ、ざっと挙げただけでもこんなにあります。
『国家の品格』 ⇔ 『女性の品格』
『仕事ができる人 できない人』 ⇔ 『採用の超プロが教える できる人できない人』
『伝え方が9割』 ⇔ 『人は話し方が9割』
『起業1年目の教科書』 ⇔ 『入社1年目の教科書』
etc……。
「成功法則」に至っては、
『マーフィーの成功法則』
『非常識な成功法則』
『変な人が書いた成功法則』
等々、枚挙にいとまがないほどあります。
「柳の下のドジョウ戦略」というからには、既存のヒットした本のタイトルを真似するわけだから、確かに好ましいやり方とはいえません。
実際、「ウチは柳の下のドジョウ~で、本のタイトルをつけたりはしない」という方針を打ち出している出版社も少なくありません。
しかし、ここで私が言いたいのは、あくまで“企画書に記載する本のタイトル”。
要するに、平凡で面白味のないタイトルを企画書に記載して、編集者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があるようなら、あるいはどうしてもいいタイトルが思いつかないようであれば、最後の手段として、既存のヒットした本のタイトルを参考にしてみるのです。
その場合、企画書には仮のタイトルであることをキチンと明記しておくことが大切です。
ただし、「これだ!」という閃きがあれば、そちらを優先させたほうがいいのは言うまでもありません。