【企画書の著者略歴はこう書く】
スーパーバイザー 倉林秀光
出版企画書を作成するうえで、著者略歴の項目は必要不可欠です。
その著者略歴の項目ですが、人によっては、次のようなことを長々と記す人がいます。
平成●年、○○高校卒業後、〇〇大学経済学部でマーケティング理論を学ぶ。
平成●年、○○大学経済学部卒業後、〇〇会社に入社。横浜支店営業部1課に配属。
新規顧客の開拓業務を担当。横浜地区の中小企業を対象にして、週40件以上を訪問。
見込み客へのアプローチとして××を提供……。
平成●年、新規顧客の開拓に加え、顧客へのコンサルティング業務を担当。
平成●年、郡山支店長に昇進
平成●年、○○会社に転職。メンバーの意識改革と業務改善、生産性向上に取り組む。
でも、これだと職務経歴書になってしまいますよね。
では、著者略歴の項目でいちばん大切な部分は何なのか?
それは、今、現在、どういう活動をしているのか?
それによって、どういう実績をあげているか?
この二点に尽きるといっていいと思います。
言い換えると、過去の職歴などは、できるだけコンパクトにまとめ、本のテーマに関係する現在の活動状況、ならびに実績を詳しく記すようにするのです。
参考までに、私が手掛けた『「字」を変えると人生はうまくいく』の著者・小山田香代さんのその当時の著者略歴を以下に紹介しましょう。
理由は後程説明しますが、ここでは、あえてわかりやすく、ABCDと4つのブロックに分けてみました。
A
1972年 東京生まれ。
B
短大を卒業後、OAインストラクターとして大手パソコンメーカーに勤務。
その後、パソコンやビジネスマナー、コミュニケーションの講師として活躍後、職業訓練校講師として従事。のべ3000人以上の再就職支援に携わる。
C
その間、筆跡診断の勉強を始め、筆跡アドバイザー資格を取得。
その後、筆跡診断士の資格も取得。職業訓練にも筆跡トレーニングを取り入れることで、多数の訓練生を再就職につなげることに成功する。
その後、筆跡診断のセミナーや個別相談を行うようになり、職業訓練生だけではなく、筆跡トレーニングを受けた受講生から、「マイホームが持てた」「予定外の大金が手に入った」「念願のカフェがオープンできた」「志望校に合格できた」「再就職がかなった」「大型契約を結ぶことができた」「念願の会社を設立することができた」「恋人ができた」という嬉しい報告が数多く寄せられるようになる。
D
現在は日本筆跡診断士協会筆跡診断士としてフリーで活動中。全国から講演・セミナーの依頼が殺到し、その懇切・丁寧な指導法には定評があり、筆跡の個別相談は数か月待ちの状況。
相談者は学生・会社員・主婦・失業者・会社経営者と多岐にわたっている。その数は累計5000人以上にのぼる。
もう、おわかりですよね。
本のテーマにそれほど関係しないAとBはできるだけコンパクトに。
本のテーマに関係するCとDはできるだけ詳しく書くようにするのです。
AとBは職務経歴書の要素が強いため、それほど重要ではありません。
けれども、Cでは本のテーマに関係することをできるだけ詳しく述べ、ここで著者はどんなキャリアの持ち主なのか。どんなノウハウ・メソッドを持っているのかを、これまた詳しく記す。
そして、Dでは現在の主な活動を記すことが重要になってくるのです。
さて、あなたなら、ABCDの各ブロックにどんなことを記しますか。