【ブラジャーの売り方に学ぶ】
スーパーバイザー 倉林秀光
アメリカに次のような逸話があります。
昔、ある下着メーカーの社長が、アフリカの奥地で暮らしている部族の女性たちを対象にブラジャーを売り込もうと考え、二人の部下にニーズを調査させたことがありました。
数カ月後、一人の部下が「あそこで暮らしている女性たちは上半身裸のままが当たり前だと思っています。したがって、下着のニーズはないものと思います」と報告。
これに対し、もう一人の部下は次のように報告しました。
「あそこで暮らしている女性たちは身体のあちこちにアクセサリーをつけていました。ブラジャーを下着ではなく、アクセサリーとして売り込んでみてはどうでしょう?」
その結果、ブラジャーは飛ぶように売れたといいます。
この話は出版の企画書を立案するうえでも、少なからず参考になると思います。
「テーマがマナーだから、この本は実用書だろう」
そう思っても、内容によっては、案外、仕事術の一環としてビジネス書として企画を立案したほうが、編集者が着目してくれる場合もあります。
「テーマが『話し方』だから、この本はビジネス書だろう」
そう思っても、内容によっては、実用書として企画を立案したほうが、編集者が着目してくれる場合もあります。
前例や常識にとらわれないで、内容によっては別のジャンルの本に目を向ける。
別の視点からニーズを考える。
これもまた商業出版社から本を出す確率を高めるうえで大切なことなのです。