【タイトルの付け方 その2】
スーパーバイザー 倉林秀光
前回もお話ししたように、本のタイトルは通常出版社が決めますが、それでも企画を売り込むときは、やはり企画書に著者サイドで仮のタイトルをつける必要があります。
そこで、今回からはタイトルをつけるにあたってのポイントについてお話ししたいと思います。
第1回の今回は、数字を入れる手法についてです。
この手法は自己啓発書やビジネス書などでよく見られ、代表的なものに『人は話し方が9割』(すばる舎)、『7つの習慣』(キングベアー出版)、『医者に殺されない47の心得』(アスコム)などがあります。
『人は話し方が9割』の場合は、パーセンテージを強調することで、話し方がいかに重要であるかが伝わってきます。
『7つの習慣』の場合は7つの中身がちょっと気になりますね。
『医者に殺されない47の心得』も同じで、その中身が気になります。
これらのほかに体系化した理論の数をタイトルにもってくることもあります。
私がプロデュースした本の中では丹波哲郎さんの『幸せをつかむ7つの法則』(日本文芸社)や拙著『ジョセフ・マーフィー 心を強くする41の言葉』などがその好例です。
また、本の中で述べているノウハウを実践した場合の効果を短時間で表したいときなどは、それをそのままタイトルにもってくることもあります。
『たった2時間で身につく「きれいな字」の書き方』(三笠書房)、『1分間でわかる菜根譚』(三笠書房)、私がプロデュースした中では土田君枝さんの『転びたくなければ足の親指に輪ゴムを3分巻けばいい』などがその好例です。
ただし、やみくもに数字をつければいいというものでもありません。
そこには数字をつける必然性が求められます。
章の数や見出しの数をタイトルにつけるだけでは訴求力がないし、どうしてもそうせざるをえないときは前後に“数字を光らせるキャッチ”をつける必要があります。
『医者に殺されない47の心得』がまさにそうで、「医者に殺されない」というインパクトのあるキャッチをもってきたからこそ、続く「47の心得」が光ったのです。
また、その数字がしっくりくるかも大切です。
『転びたくなければ足の親指に輪ゴムを3分巻けばいい』だからこそ、“短期間の効果”が訴求できるのであって、これが30分であれば訴求力が激減。3時間だと完全にNGです。
いずれにしても、タイトルにはインパクトを持たせることが重要で、時と場合によっては数字がその大事な役割を担ってくれることもあるのです。