出版企画書で大切なのは“本を出すことの意義”
前回、ある女性から「正しい食生活に基づいたダイエット本の出版企画書を作成したので、添削していただきたい」という依頼を受け、問題点が二つあったといいました。
一つは、A4で3枚半。文字数に換算すると4000字と、文字量がものすごく多かったことです。
では、もう一つの問題点とは? それは企画書の中味でした。
前置きがとにかく長いのです。文字数でいったら3000字以上。それも、「こういう食品は危険」「レトルトは添加物いっぱいの身体に悪いものばかり」「中国産の食品は毒素のかたまり」といった批判のオンパレード。そんなこと、週刊誌にいつも書かれているから、たいていの人は知っています。
それでいて、肝心の本を出版する意義はわずか数行足らず。これでは「主客転倒」もいいところ。編集者だって見向きもしてくれないでしょう。
前置き、すなわち問題提議は数行でいいのです。
字数を費やさなくてはならないのは、「出版の趣旨・意義」なのです。
編集者がいちばん関心を示すのは、そこなのです。
否、編集者はそこしか関心を示さないのです。
したがって、前置きなんか、どうだっていいのです。
では、どういう流れ――構成案で出版企画書を書けばいいのでしょうか。
次回は、そのへんの秘訣をお話ししてみたいと思います。