【起承転結を意識して構成案を作成する その1】
スーパーバイザー 倉林秀光
「出版企画書の構成案をうまくまとめることができません」
素晴らしいノウハウをたくさんお持ちなのに、こう言ってくる人たちが後を絶ちません。
そんな人たちは「起承転結」を意識するだけでも、構成案がまとまりやすくなります。
同時に、編集者を唸らすことさえできるようになります。
わかりやすい例を出しましょう。
まずは、次の例文をご覧ください。
サウナに4回も入りました。
大量に汗が出たのでしょう。
体重が2キロも減りました。
わずか一時間足らずの間にです。
この例文、文法的にはとくに問題はありません。
でも、ありきたりの文章というか、面白みに欠けますよね。
「そりゃあ、サウナに4回も入れば、身体から水分が放出されるわけだから、そうなるよ」で終わってしまいます。
では、次のような例文に書き替えたらどうでしょうか。
体重が2キロも減りました。
わずか一時間足らずの間にです。
実はサウナに4回も入ったのです。
そのせいで、大量の汗が出たのです。
いかがです?
いわんとすることは最初の例文とまったく同じでも、受け取る印象が違ってきませんか。
なぜか? 二つめの例文は起承転結に工夫をこらしているからです。
出だしの「体重が2キロも減りました」で、ちょっと興味・関心を引きませんか。
先の展開が気になりますよね。
これが起承転結の起に当たります。
「わずか一時間足らずの間にです」で、ますます先の展開が気になってきますよね。
これが承に当たります。
「実はサウナに4回も入ったのです」で、ようやく謎がわかりますね。
これが転に当たります。
「そのせいで、大量の汗が出たのです」で、納得した気分になりますね。
これが結に当たります。
この手法を出版企画書の構成案を作成するときに、是非用いてほしいのです。
すなわち、起承転結を心がけるだけでも、構成案はだいぶまとまりやすくなるのです。
(つづく)