【あなたの出したい本は商品価値がありますか?】
スーパーバイザー 倉林秀光
ドリアンやくさやを好んで食べる人はほんの一握り。
そのため、「商品価値はない」と判断し、果物屋も居酒屋もあまり仕入れようとはしないと言いました。
実は、「本を出したい」と願っているあなたの出版企画も、ドリアンやくさやと同じ可能性があります。
あなたは本で書こうとしている自分のノウハウが最高にいいと思ってはいませんか。
自分の編み出した理論が素晴らしいものであると思ってはいませんか。
それを世間に公表したら、絶対に話題になるだろうと思ってはいませんか。
しかし、私に言わせれば、それはあなたが“勝手にそう思い込んでいる”だけに過ぎません。
もっとシビアに言いましょう。あなたのノウハウがいかに素晴らしいものであっても、あなたの理論がどんなに素晴らしいものであっても、編集者にとって、そんなことは二の次・三の次。
編集者の視点はあくまで「この企画を本にしたときに、売れるかどうか。商品価値があるかどうか」にあるのです。
そして、「本が売れそうにもない」「商品としての価値があるように思えない」と判断したとき、その企画は見送られてしまうのです。
そうならないためには、一度、冷静になって、著者であるあなた自身が「この企画が本になったとき、商品としての価値があるかどうか」ということを吟味してみる必要があります。
自分で判断がつかないようであれば、気のおけない友人・知人に率直な意見を仰いでみるのもいいでしょう。
そして、商品としての価値がないようであれば、再度、企画を練り直す――これが大きなポイントになるのです。