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生ハムメロン戦法

melon-e1526698749991 生ハムメロン戦法

 

スーパーバイザー 倉林秀光

みなさんは生ハムメロンを食べたことがありますか。

私が初めてそれを目の当たりにしたとき、ものすごく興味をそそられました。

そして、実際に食べたとき、生ハムの塩っぽさとメロンの甘さが口の中で溶けあって、ちょっとした感動モノでした。

これがもし、生ハムとチーズのコラボだったらどうでしょう。

味の想像がつくため、それほど興味をそそられません。

メロンと生クリームのコラボもしかり。

これまた味の想像がつくため、それほど興味をそそられません。

しかし、生ハムとメロンというまったく異質なモノ同士の組み合わせは、初めて口にする人にとっては味の想像がつかないため、興味をそそられます。

だから食べてみたくなります。

このまったく異質なモノ同士を組み合わせる発想は、出版の企画にも同じことがいえます。

その典型がベストセラーを記録した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』です。

あの本のタイトルが、『もし経営者がドラッカーの「マネジメント」を読んだら』、あるいは『もし起業家がドラッカーの「マネジメント」を読んだら』だとしたら、どうでしょう。

ありきたりすぎて、全然面白味がありません。

惹かれる要素は何一つありません。

しかし、「高校野球の女子マネージャー」という言葉が入ることによって、そこには意外性が生じます。

「高校野球の女子マネージャー」と「ドラッガー」はまったく異質な組み合わせのため、興味をそそられます。

味(本の内容)の想像はつきませんが、「食してみたい(読んでみたい)」という気持ちになります。

本のテーマを策定し、企画を立案するにあたって、異質なモノ同士を組み合わせる。

それによって、編集者の興味をそそらせる。

私はこれを「生ハムメロン戦法」と呼んでいますが、この「生ハムメロン戦法」を導入することも、商業出版社から本を出す確率を高めるうえで大切なことなのです。

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